胴長短足のユニークな姿。その姿ゆえ、歩くたびにフリフリ揺れるお尻。その姿に思わず微笑んでしまう・・そう、誰もが知ってるダックスフンド。
98年には登録件数は6万頭を超え、2003年には17万頭と爆発的な人気犬種となり、現在、その地位は不動のものとなっています。
その魅力と人気の理由はと言えば、「愛くるしい瞳」「ユニークな姿と相まった愛嬌のある性格」「人への攻撃性が比較的低く、小さな子どもがいる家庭でも安心して飼える」「ミニチュアダックスであれば、誰でも楽に抱きかかえられる」などが挙げられます。
また、他の犬種に比べ、圧倒的にカラーバリエーション豊富なところが、飼う側にとって大きな魅力のひとつとなっているでしょう。
ノルマルシュラークという別名をもつダックスフンドは、ハウンドグループに属し、100年前からドイツでアナグマやキツネを追い立てるための『穴にもぐる犬』として改良された猟犬です。
そのため、恐いもの知らずで、独立心、好奇心が強い性格です。言い換えれば自己主張が強く、個性的であるということになるのかもしれません。
しかし、「飼い主に忠実でとても飼いやすいこと」、「人になつきやすく他の犬にもフレンドリーなこと」から、多頭飼いをしている人が多い犬種でもあります。 |
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『ダックフンド3つのサイズ』
スタンダード、ミニチュア、カニーヘンの3つのサイズ。同じ犬種でありながら、サイズによって性格も違っています。
「スタンダード」 体重9〜12Kg、胸囲35cm以上
外見も気質もダックスフンドの基本型。
どっしりとして、一緒にのんびりできる『頼りになる小型犬』と呼ぶのがピッタリ。むだ吠えもほとんどせず、人間の感覚に近く、自分を持っている。(わがままというのではなく、納得しないと行動しないところがある。)
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「ミニチュア」 生後15ヶ月齢以上で体重4.5〜4.8Kg、胸囲35cm
ダックスと言えばミニチュアとされるほど、浸透しているサイズ。
女性でも楽に扱える大きさで飼いやすい。人なつこく、他の犬にもフレンドリー。ただし、スタンダードより体が小さいので、周りを気にしてむだ吠えは多い。 |
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「カニーヘン」 生後15ヶ月齢以上で体重3.2〜3.5Kg、胸囲30cm以下
アナグマよりも小さな獲物をとらえるために作りだされた。
体の小ささゆえに周りを威嚇する傾向があり、他の2サイズよりは吠えたり、神経質なところがあるとされる。
動きは俊敏で、じっとしていない。
ミニチュアダックスであっても、小さい子は『カニーヘン』に分類されることがあります。スタンダードやミニチュアダックスはそれぞれのサイズとして明確に分類されますが、カニーヘンに関してはあいまいなところがあるようです。カニーヘンは小さければ価値が高いとされているので、小ささを求めるあまり、好ましくない育て方をすることが問題になっています。
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『ダックスフンドの毛質の種類』
スムースヘアード(短毛)、ロングヘアード(長毛)、ワイヤーヘアード(剛毛)の3種類。現在、一番人気はロングヘアード。サラサラキラキラのロングヘアは、お手入れは大変でもいつの時代も女性の憧れ?
3毛種とも基本的な性質は同じなのですが、それぞれの犬種固有の歴史があるため、性格や行動は少しづつ違っています。
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「スムースヘアード」
日本では第二次世界大戦後、進駐軍がペットとして国内に持ち込んだのが始まり。1960年代後半から1970年代に愛好者が増えた。ダックス本来のコミカルな体型、艶やかな毛質、飼い主に忠実で機敏なタイプとして好まれている。
被毛は短く密に生え、毛質は硬めだが、滑らかで光沢がある。
他の2毛種と比較して、ダックス基本色のブラック&タンが多い。
遺伝的には、スムースはロングへアードに対して優性だが、ワイヤーへアードには劣性。 |
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「ロングへアード」
柔らかくて滑らかな絹糸のような直状毛であるオーバーコートと、綿毛状のアンダーコートを持っている。優雅な外見と豊富なカラーバリエーションで一番人気。
スムースへアードとスパニエル種との交雑により固定化された毛種。
性格はおだやかで甘えん坊。ミニチュアダックスのロングへアードがダックスブームの火付け役。 |
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「ワイヤーへアード」
オーバーコートは剛毛で、綿毛のアンダーコートを持っている。まゆとあごひげがあるのが特徴。
スムースにシュナウザーやテリア種を交雑している。
テリア種の自発的で多少やんちゃな気質が加わっている。
毛色はレッド、ブラック&タン、ワイルドボアー、ゴールドなどバリエーションも多い。 |
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ブリーディングとは、親よりもより優れた子を作りだすのが基本です。ですから、互いの毛質を活かすため、硬くハリのある毛質が特徴のワイヤーへアードと柔らかい毛質が特徴のロングへアードのかけ合わせはしません。
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『ダックスフンドのカラーバリエーション』
ダックスフンドと言えば、かつてはブラック&タンかレッドが一般的でした。
特に毛色のバリエーションが豊富になったのは、ミニチュア・ロング・へアードです。
スタンダードの3毛種の毛色はブラック&タン、カニーヘンのロングではほとんどがレッド、そしてワイヤ・ヘアードでは、ゴールドかワイルドボアです。
日本には、1980年代後半にクリームの輸入が始まり、それ以降さまざまなカラーのダックスが入ってきて、現在では登録カラーは50色以上になっています。
- 単色
レッド、クリーム
- 2色
ブラック&タン、チョコレート&タン
ダップルやパイポールドを毛色のことだと思っている人がいますが、模様(パターン)のことで毛色ではありません。
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「模様のあるダックス」
- ダップル
ベースカラーに不規則な斑点
- ダブルダップル
ダップルに白い斑点が広がったもの
- プリンドル
縞(しま)模様
- パイポールド
白をベースに黒や茶のカラーが入っている
ダブルダップルとパイポールドは、最初は見分けがつきにくい。
このところ、珍しいカラーが脚光をあびているため、ダックスフンド本来の犬質が損なわれるまちがった繁殖が行われ、色素の欠陥を持つ不幸なダックスが増えていると指摘されています。珍しいカラーに飛びつく前に、色素の大切さを考えていただきたいのです。
仔犬を入手する時には、両親のカラー、鼻の色、パットの色(真っ黒、チョコ&タンはレバー色)などを教えてもらってから判断して下さい。
ミニチュアダックスフンドのカラーバリエーションについては、レイダックス吉祥寺のホームページに詳しく掲載されています。
(http://www.reidachs.co.jp/gallery.html)
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「ミニチュアダックス」
人気のミニチュアダックスは、ツウェルクテケルという別名を持ち、ウサギを追う仕事をしていました。そのため、小型犬ながら運動量の多い犬種で、運動不足でストレスがたまるとムダ吠えをするようになると言われています。
日々の運動でしっかりエネルギーを消費させましょう。
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「ダックスの特徴と性格」
ダックスは物事をパターン化し、その上で自分の生活スペースに縄張りを作るという猟犬の習性が強く残っています。そのため、縄張りとする範囲が広ければ広いほど、そこを守ったり注意を払うべきことが増えるので、神経を消耗させてしまいます。
今、リビングからダイニングにかけて縄張りを持っている子であれば、ダイニングに出入りさせないようにすることで、縄張りの範囲を狭くしてあげます。
『あなたはここは守らなくていいのよ』『そっちは私達の場所なのよ』と分からせてあげること、つまり生活のルールをきちんと教えてあげることが大切です。また、自分だけの落ち着けるスペースを作ってあげることで、ダックス達は安らぎを得られます。
そんな心地よい状態に導いてくれた人を彼らはリーダーとして認め、信頼を寄せます。
でも、ダックスは利口な犬種なので、甘やかすと自分を飼い主より上位に置くようになり、その結果、ムダ吠え、飛びつき、言うことを聞かないなどの問題行動を起こすようになります。
『遊びの天才』と称されるダックスの好奇心旺盛な性格を利用して、遊びを通して飼い主と信頼関係を作ることで、問題行動を解消することができます。
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「ダックスフンドのお手入れ」
ダックスは栄養過多になる傾向があり、体のシワに汚れやホコリがたまりやすいため「皮膚炎」になりやすい、歯周病が深刻になるなどの症状が見られます。
「ブラッシング」
スムースヘアは体にたくさんのシワがあり、そこに汚れやホコリがたまりやすいので、まず蒸しタオルなどで毛の表面の汚れを拭きとってから、シワを伸ばしながら皮膚を傷つけないように先の柔らかいブラシを使って、ブラッシングをします。
ロングヘアはもつれやすく、毛玉ができやすいので毎日のブラッシングが大切です。まず、毛の流れに逆らうようにブラッシングし、次に毛の流れに沿って整えるように梳かします。
ワイヤーヘアは、剛毛でカールしているので毛の中にゴミやホコリが詰まりやすいので、粗い目のコームで細かく円を描くようにブラッシングします。
健康なダックスの毛はベタベタするようなことはないので、そのような状態が見られたら皮膚病などの可能性があるので、動物病院で診てもらいましょう。
「シャンプー」
皮膚のシワとシワが擦れやすい脇の下や股間などは皮膚炎を起こしやすいため、シワを伸ばして、マッサージするように念入りにシャンプーします。
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ダックスフンドの代表的な疾患「椎間板ヘルニア」
胴長短足という愛らしくもユニークな姿ゆえに、脊椎と四肢への負担が大きく、「関節疾患」「脊椎疾患」にかかりやすいとされています。
「椎間板ヘルニア症とは」
背骨は脊椎(せきつい)という小さな筒状の骨が連なって作れています。その脊椎と脊椎の間でクッションの役目を果たしているのが椎間板(ついかんばん)です。椎間板のおかげで、胴体を曲げたり、ねじったりすることができる仕組みになっています。
椎間板ヘルニアは、椎間板の軟骨の部分が弱まり、脱水したように弾力性がなくなり、そのために椎間板内の内部組織が飛び出して、すぐ近くの脊椎神経を圧迫するようになるものです。ダックスフンドは椎間板の中にある成分が軟化して壊れる「脊髄軟化症」になりやすく、また体型的にも発症しやすいと考えられています。
8歳以上になると発症する率が高くなりますが、2〜3歳の若齢犬にも見られます。若い犬の場合、無理な体勢をとったり、高いところから飛び降りたりして、背骨に負担がかかって椎間板が飛び出してしまうことがあるためです。
発症する部位は首、胴体の前側、腰のあたりの3箇所です。
- 首(頚部)
- 胴体の前側(胸腰部前半)
後ろ足がお腹の中に入ったような状態になる
- 腰(腰部中後半)
後ろ足を尻尾の方に伸ばした状態になる
「症状」
- 症状1 背骨を痛がる。あまり動きたがらない。
- 症状2 後ろ足の力が弱くなり、ふらつきながら歩く。足を裏返した状態で立っている。
- 症状3 足が前後に動かない。足を引きずる状態だが、後ろ足の指をつねるとまだ痛感はある。
- 症状4 痛みの感覚がなくなる。膀胱も麻痺して失禁する。
- 症状5 うしろ足は完全に麻痺。引きずるようにしか歩けない。神経細胞が死んでいる状態。
椎間板ヘルニアを発症していても食欲は落ちない場合が多く、まだだいじょうぶと考えてゆっくり構えていると症状が進んでしまう恐れがあるので、症状1,2のような状態になったら一刻も早く動物病院で診察してもらって下さい。
椎間板の外科手術は非常に高度な技術が必要ですが、症状3までの段階で手術すれば後遺症も残らず、回復の可能性が高い安全な手術と考えらています。
「予防」
椎間板ヘルニア症を100%予防することはできませんが、できるだけ発生を抑えることはできます。
- 仔犬の購入時に、両親犬が椎間板ヘルニアにかかったことがないかを確認する。
遺伝的要素が大きいので、両親犬に問題がなかったかを確認することは大切。
- 普段から首と腰に負担のかかる運動はさせない。
ベッドやソファーにジャンプして乗り降りさせたりしないなど。
- 腰に負担をかけない程度の運動を毎日欠かさない。
肥満の予防と背中、腰に筋肉をつけることでの背骨の負担を軽減する。
- 1歳くらいまでにしっかり体を作るため、抗酸化作用の強いビタミンE,レシチン、リノール酸などの栄養素を摂らせる。ビタミンB群は予防効果が高い。
不妊・去勢手術をするとホルモン分泌が変化するため、必要カロリーが減少する結果、肥満になりやすくなります。特に、ダックスでは肥満は背骨に負担をかけ、椎間板ヘルニアの要因になります。
肥満は万病の元とも言われますが、食餌の管理と適度な運動でウェイトコントロールを怠らず、ダックスの椎間板ヘルニアも予防しましょう。
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