前立腺肥大
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(1)前立腺肥大の症状

前立腺の肥大は、非常にゆっくりと起こり、肥大そのもので何らかの症状が起こることはありません。しかし、肥大した前立腺が、その周囲にある腸や膀胱、尿道を圧迫し始めると次のような症状が現れます。

1.がんこな便秘になる

腸が圧迫され、便が出なくなる。便意はあるので、しきり排便姿勢をとり、いきむ。少量の粘液便が排出される。


2.おしっこが出にくかったり、もらすこともある

尿に混じって分泌物や膿が出ることがあります。

3.腹部を押すと痛がり、発熱したり、元気がなくなる。


2.3.の場合は細菌感染による前立腺脳腫が疑われます。

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(2)病気の解説と治療法

前立腺は膀胱の後ろ側にあり、尿道を取り囲むように位置しています。前立腺は、精液にアルカリ性の前立腺液を分泌し、精子を活性化させるという働きをもっています。年齢とともにこの前立腺が肥大すると、腸や泌尿器が圧迫され、排便異常や排尿異常が起きるのです。

老化によって、雄犬の精巣の働きが低下し、そこから分泌されるアンドロゲン(雄性ホルモン)とエストロゲン(雌性ホルモン)が不均衡になり、その結果、前立腺の外腺や間質脂肪が増殖するために前立腺の容積が増加して、肥大します。

発症していなくても、高齢犬の約半数以上に前立腺の肥大が見られると言われます。

前立腺マッサージで前立腺からの液を取り、細菌感染と炎症について調べ、レントゲンやエコー検査で診断します。中に膿がたまったような袋がみられたら、前立腺腫瘍が疑われますが、がんや良性腫瘍も考えられ、尿の検査や生検などで確認します。細菌が原因の場合は、抗生物質による治療を行います。

肥大が軽ければ、便秘などへの対症療法や食餌療法、内服薬で治療します。ホルモン剤を体内に埋め込む方法もあります。肥大が大きく、症状が著しい場合には、手術で前立腺を摘出します。

去勢は予防のためにも、再発防止にも効果があります。若いうちに去勢手術(精巣摘出)を行えば、肥大することはありません。去勢手術が難しい年老いた犬には、薬物療法が試みられます。