甲状腺機能低下症
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(1)甲状腺機能低下症の症状

症状はどんな病気にもあらわれる症状と重なるため、見分けがつきにくいことが特徴です。最も多く見られる症状は、皮膚や被毛の変化で、痛みをともなわない左右対象の体幹部の脱毛で、手足や頭部は残っている場合が多いとされます。

ラットテイル
といって、尾だけ脱毛してねずみのシッポのようになることもあります。

被毛は抜けやすくなり、なかなか再生せず、細かくてもろい子犬の被毛のように薄くなります。

さらに
色素沈着(黒色化)が起きてしまったり、皮膚が厚くなったりもします。中には脂漏症や膿皮症を伴う場合もあります。

そのほか、顔面に粘液がたまって水腫が起きると、
悲しそうな顔つきになってしまいます。

また、外部寄生虫のマラセチアやヒゼンダニなどに感染しやすくなります。

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(2)病気の解説と治療法

2〜6歳の中型犬や大型犬に多く見られ、トイ種やミニチュア種ではまれです。グレート・デーンやビーグル、ドーベルマン、ダックスフンド、アイリッシュ・セッター、ゴールデン・レトリーバー、ボクサー、アメリカン・コッカー・スパニエルなどに多く、小型犬の中では、ミニチュア・シュナウザーに多いとされ、比較的若齢で発症します。避妊している雌犬でやや多く見られます。

この病気は、甲状腺組織の細胞の壊死によって甲状腺が萎縮したために起こると考えられています。その95%以上は甲状腺自体に問題があるとされ、その原因は免疫による甲状腺破壊や、原因不明の甲状腺萎縮と考えられます。

甲状腺の組織の破壊や萎縮が75%を超えるとさまざまな症状があらわれます。

まず、甲状腺機能低下症が原因になって甲状腺ホルモンが少なくなっているのか、他の病気が原因となってホルモンが減っているのかを見分けなければなりません。そのため、甲状腺ホルモンの測定だけでなく、さまざまな検査が行われます。

治療法は甲状腺ホルモン製剤の投与で、ボーッとするとか動きが鈍いなどの全身症状は、1週間くらいで回復して元気になりますが、皮膚や被毛が回復するには数ヶ月を要する場合があります。


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(3)日常ケアのポイント

体温が低くなり、冬には寒がって暖房器具の前から動こうとしなかったり、冷水を飲むと元気がなくなるなど、冬に症状に気づく病気です。早期発見を心がけて下さい。