歯周病
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(1)歯周病の症状

歯の健康はより良く生きるために、大切な要素ですが、3歳以上の犬や猫の約80%が歯周病にかかっているといわれます。

強い口臭があり、悪臭のあるよだれがでたり、歯の表面には茶色の歯石が見られ、歯のまわりの歯肉が赤く腫れ、歯茎から出血している場合もあります。硬い食べ物を嫌がるようになり、食べようとしたものを痛みから顔を振って吐き出してしまったりします。缶詰や半生タイプのドックフードなどの柔らかい食べ物だけで飼育されていた高齢犬は、歯肉が赤く腫れて綿棒でこすっただけでも出血したりします。

歯周病はひどくなると、歯茎だけではなく、歯を支えている骨まで破壊して、骨に穴が開いて化膿し、上あごの場合には、眼窩(がんか)からうみが出たりすることもあります。
また、歯周病菌が歯周ポケット底部の血管などに入り、血液に乗って心臓や腎臓、肝臓などの組織を侵すこともあるのです。

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(2)病気の解説と治療法

歯周病は歯槽膿漏(しそうのうろう)、歯肉炎(しにくえん)、歯髄炎(しずいえん)などの総称で、歯の周囲にある歯肉(歯茎)に炎症が起こる病気です。歯肉の炎症は、歯垢(しこう)がたまることによって起こります。

歯垢の中には口の中で繁殖した細菌が大量に存在し、これらが歯肉を刺激して炎症を引き起こします。歯垢はやがて硬い歯石になり、歯石が歯と歯肉の間の溝に沈着すると、溝がどんどん深くなって
歯周ポケットというすき間を作ります。このすき間もまた細菌のすみかとなります。進行すると、ここに膿がたまります。これが歯槽膿漏です。

歯肉の炎症がどんどん進行すると、歯肉が縮んでいきます。さらに歯を支えている歯槽骨が次第にやせ細ってきます。歯がグラグラしたり抜けてしまうのはこのためです。

歯周病は、糖尿病にかかっていたり、ホルモンのバランスが崩れている時、栄養状態が悪い時などにかかりやすくなります。

また、単なる歯の病気だけではなく、繁殖した細菌の毒素や酵素が血液に乗って全身に回ると、腎臓、肝臓、心臓などの病気を引き起こすことにもなります。

治療は
歯石の除去や抜歯ですが、口を開いたままじっとしていてはくれないので、全身麻酔をかけます。高齢犬の場合には、身体に負担をかけることにもなります。
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(3)日常ケアのポイント

小型犬では2歳を過ぎるころから、歯周病に注意が必要です。

予防のためには、毎日の歯ブラシが大切です。いきなり歯ブラシを口の中に入れようとしたりすると、犬はパニックになってしまうかもしれません。最初は犬が口に触られることに慣れさせるところから始めます。そして、次に口の中に指を入れて歯肉をマッサージします。それに慣れたら、ガーゼを巻いた指でマッサージをして、最終的には歯ブラシを使って歯磨きができるようにします。歯肉のマッサージをすることで、血行を良くして、歯垢を取り除きます。

  1. 仔犬の時に、飼い主が口の周りを触ることに慣れさせます。
    グルーミングや遊びの一環で、口の周りを触ります。次に口の周りを触りながら唇をめくって、そっと指を口の中にいれ、遊び感覚で歯や歯茎を触ります。(口の中を触られるといいことがあると思うように、ほめたり、なでたりしながらやって下さい。)
  2. 指にガーゼを巻き、水やお湯で湿らせるか、好きな肉汁をつけて、なめさせながら、そっと歯の表面を磨きます。
    むりやりではなく、歯にタッチできれば十分と考えて、短時間の作業を何日間か続けます。
  3. 歯の表面をなでられることに慣れてきたら、歯磨きトレーニングをスタートします。
    小児用の小さな歯ブラシを湿らせるか、好きな肉汁を付けて、やさしく、手早く磨きます。一度で全部を磨こうとせずに、犬が喜んで磨かせる範囲で少しずつ磨いていきましょう。
  4. 最終的にはペット用の歯磨き粉をつけて、全部の歯を磨きます。
    ごしごし磨こうとせずに、歯ブラシが軽く歯の表面をこするように動かせば、食べかすや歯垢は自然に取れていきます。内側まで磨くのがむずかしければ、初めは外側だけでも十分です。特に歯垢がつきやすいのは奥歯の外側であることを覚えておきましょう。