心臓病・拡張型心筋症
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(1)拡張型心筋症の症状

咳をするようになって元気がなくなり、食欲が減退して、呼吸困難になります。

全身性の貧血になって、失神することもあります。これは、心臓が収縮して躯出する血液量が60〜70%程度減少するので、全身を循環する血液の量が正常時から30〜40%減ってしまうためです。

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(2)病気の解説と治療法

高齢の大型犬に多く、突然死が特徴です。

もともと若い頃から心臓に障害がありますが、病勢はゆっくりと進行するので、飼い主は気がつかない場合が多いのです。ですから、老犬になって突然、発症したように見えますが、その時にはかなり重症になっています。

初期の心疾患は聴診での心雑音や不整脈などから発見されます。確認のために、胸部X線診断やエコースキャンなどの胸部画像診断をします。

犬の心臓病に対しては、主に内科的な治療が行われ、人のために開発されたさまざまな薬が犬にも使われます。おおまかに言うと、血圧を下げる薬とポンプとしての心臓の機能を助ける薬があり、ベータ遮断約、ACE阻害薬、利尿薬などです。

ACE阻害薬は、血圧を低下させ、血管を拡張して心臓の負担を緩和するために、特に有用な薬です。


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(3)日常ケアのポイント

心臓病を抱えている高齢犬の場合には、急激で過剰な興奮は命とりになることがあります。

歳をとってから、雷や花火を怖がるようになった高齢犬は、身体をブルブルと震わせてパニック状態に陥ります。怖がる犬を抱きしめて落ち着かせる対処療法だけではなく、時間をかけて
除感作療法を行います。

雷や花火の音が録音されているCDを数分おきに30〜60分間再生して聞かせます。小さい音から始めて、だんたんボリュームを上げていき、恐怖症を引き起こす刺激に徐々に慣れさせます。一日20回ぐらい聞かせれば10日後にはほとんどの犬はそれらの音に反応しなくなります。


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(4)食餌療法 

心疾患の初期と進行期では、必要とされる食事管理の方法が異なります。従来は、心臓疾患の療法食は、進行期のうっ血性高血圧を抑制するため、ナトリウム制限を行っていましたが、初期にナトリウムを制限しすぎると、逆に心疾患を進行してしまう可能性があることがわかりました。そのため、心疾患の初期には、過剰にならない程度にナトリウム含有量を調整するようになっています。

また、心臓機能をサポートするために必要とされる栄養素、タウリン、カルニチン、アルギニン、ω-3不飽和脂肪酸(EPA,DHA)やマグネシウムを強化します。また、活性酸素によるダメージを回避するために、抗活性酸素物質(ビタミンE、ビタミンC)を配合します。

進行期の心疾患では、うっ血性高血圧を避けるために、より厳しいナトリウム制限が必要です。心臓をサポートするための栄養素、ω-3不飽和脂肪酸やマグネシウムはそれぞれ30〜50%程度増量します。

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「食事療法食は必ず獣医師の指示に従って与えて下さい。」


Copyright Masterfoods
ウォルサム
(マスターフーズ)
「心臓サポート(T)」

1kg、3kg、8kg
パック

代謝エネルギー
436kcal/100g
初期の心不全、初期の慢性腎不全の犬のために。

ナトリウムを制限し、カリウム/ナトリウム(K/Na)比を調整しています。さらに、タウリン及びカルニチンを増強しています。初期の腎不全を考慮しリンを制限しています。

適応
・心疾患(ステージT〜V)・高血圧症・慢性腎不全(CRF)(初期)・中高齢犬の健康維持

製品の特長
  • 血流をサポートするフラボノイド(ポリフェノールの一種)を配合。
  • 心臓の負担を低減するためナトリウム含有量を制限。
  • 心不全に併発する傾向のある慢性腎不全も考慮してリン含有量を制限。
  • 心筋の脂質代謝と収縮能をサポートするためカルニチンタウリンを増強。
  • 心疾患の犬に多く見られる食欲不振と体重減少に対応して、高い嗜好性と高タンパク、高エネルギーの供給で最適な体重維持をサポート。
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栄養組成(平均分析値) 従来の製品とは算出方法が異なりますので、給与量の目安を必ず確認して下さい。
たん白質
脂肪
食物線維
灰分
水分
炭水化物
カルシウム
カリウム
リン
マグネシウム


亜鉛
クロール
ナトリウム
セレニウム
23.9g
18.4g
2.4g
4.1g
8.3g
34.8g
0.6g
0.73g
0.51g
0.18g
14.97mg
2.11mg
22.04mg
0.32g
0.16g
0.030g
EPA+DHA
L−カルチニン

タウリン
アルギニン
ビタミンA

ビタミンE
ビタミンC
ビタミンD3
ビタミンB1
ビタミンB2
パントテン酸
ビタミンB6
ビタミンB12
ニコチン酸
ビオチン
葉酸
コリン
0.367g
76.22mg
0.19g
1.47g
2387.5IU

68.9mg
27.55mg
101.01IU
2.57mg
4.59mg
4.59mg
2.30mg
0.028mg
13.77mg
0.14mg
0.44mg
367.31mg
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原材料
家禽肉(鶏・七面鳥)、コーンフラワー、米、動物性油脂、家禽レバー、卵パウダー、ビートパルプ、フラクトオリゴ糖、魚油、ビール酵母、精製セルロース、サンフラワーオイル、クエン酸カリウム、緑茶エキス(ポリフェノール源)、タウリン、Lーカルニチン、DL−メチオニン、マリーゴールドエキス(ルテイン源)、各種ビタミン・ミネラル
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Copyright Hill's

プリスクリプション・ダイエット
(ヒルズ)

「g/d」

1kg、4.5kg
  • タンパク質を軽度に制限
  • リンを低めに
  • ナトリウムを低めに
  • ビタミンB群は高め
  • オメガ−3脂肪酸を増量
  • 可溶性繊維を添加
  • 心疾患初期
    ナトリウム量の制限は初期心疾患の栄養学的管理に役立ちます。心疾患の犬ではナトリウム制限食を給与することにより、ナトリウムや体液貯留に関連する臨床徴候のコントロールに役立ちます。
  • 高齢犬の維持食
    高齢犬の健康管理に必要な栄養素をバランスよく含んでいます。
  • 腎機能不全
栄養組成(平均分析値)保証分析値とは異なります。
代謝エネルギー

363kcal/100g
タンパク質
脂肪
炭水化物(NFE)
繊維質
カルシウム
リン
ナトリウム
カリウム
マグネシウム
クロライド
17.2%
10.1%
60.5%
0.9%
0.56%
0.38%
0.17%
0.58%
0.055%
0.60%
原材料
米、トリ肉、トウモロコシ、全卵、動物性油脂、亜麻仁、植物性油脂、ミネラル類、ビタミン類
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Copyright Masterfoods

ウォルサム
(マスターフーズ)

「心臓サポート(U)」

ステージが進行した心疾患の犬のために
  • ナトリウム、水分が体内にたまるのを防ぐため、より厳しいナトリウム制限をしています。(心臓サポート(T)の約1/3)
  • 薬物と栄養の相互作用(例:ACE阻害薬)を回避するためにカリウムを中程度に制限しています。
  • 適正体重を維持するため、中程度のカロリー密度としています。
  • 心臓サポート(T)に比べ、n-3不飽和脂肪酸を35%、マグネシウムを50%増量しています。
  • 食欲不振の犬に対しても確実な食事を行うために高嗜好性としています。
  • 活性酸素によるダメージを回避するために抗活性酸素物質(VE,VC,タウリン)を配合しています。

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Copyright Hill's

プリスクリプション・ダイエット
(ヒルズ)

「h/d」

1kg、4.5kg
  • ナトリウムは非常に低く
  • クロライドは非常に低く
  • たんぱく質は低く
  • リンは低く
  • カリウムは通常レベルを維持
  • ビタミンBは高く
  • タウリンを添加
  • カルチニンを添加
  • カロリーは高く 
  • 中程度から重度の心疾患
    ナトリウム、クロライド含有量を制限しており、中程度から重度のうっ血性心不全の患犬におけるナトリウム貯留、体液貯留に起因する諸症状の改善に役立ちます。
    広く使用されている心疾患用薬剤との併用に適応するようカリウムとマグネシウムの量を考慮しています。
    また、心筋の代謝を補助するため、一般のドッグフードに比べ、高用量のタウリン及びL-カルニチンが含まれています。
  • 肝疾患、腎疾患
  • 犬糸状虫症
栄養組成(平均分析値)保証分析値とは異なります。
代謝エネルギー

393kcal/100g
タンパク質
脂肪
炭水化物(NFE)
繊維質
カルシウム
リン
ナトリウム
カリウム
マグネシウム
クロライド
タウリン
カルチニン
16.5%
18.2%
51.6%
1.7%
0.74%
0.50%
0.06%
0.71%
0.140%
0.31%
0.12%
277mg/kg
原材料
トウモロコシ、米、動物性油脂、トリ肉、カゼイン、全卵、植物性油脂、セルロース、ミネラル類、ビタミン類(ビタミンE,ビタミンC,他)、カルチニン、タウリン、ベータカロチン
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考資料 「犬の家庭医学大百科」 ブルース・フォーグル著 ペットライフ社(2004年12月)
       
「動物看護エキスパートBOOK」 小嶋佳彦・相田真由美著 インターズー(2004年7月)