糖尿病
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(1)糖尿病の症状
糖尿病の犬は、最初のころはふっくら太っていいますが、長期化すると食欲もあってよく食べているのにだんだんやせてきます。血液中に糖があっても細胞によって吸収されないために、食欲が増加し、水をよく飲むようになり、夜中に何度もトイレに行くなど多尿も見られます。血糖値や尿糖が上昇している場合、糖尿病と診断されます。

慢性化すると「糖尿病性ケトアシドーシス」の症状が見られるようになります。

体内脂肪が糖を得られなくなるので、体はエネルギーを得るために脂肪をケトン、あるいはケトン体というものに分解して使います。ケトンはすぐに使われてしまう限りは有害ではありませんが、蓄積すると血液を酸性にしてしまい、犬を深刻な状態にします。脱水症状、虚弱、嗜眠傾向、抑うつ、嘔吐などです。犬の体からはマニキュア除光液のような「アセトン臭」がします。

糖尿病性昏睡(とうにょうびょうせいこんすい)におちいったり、白内障や網膜症、糸状体硬化症、糖尿病性腎症(じんしょう)など深刻な合併症を引き起こすことがあります。


肥満したメス犬は、オスよりも2倍の割合で糖尿病になりやすいと言われます。糖尿病になりやすい犬種として、ダックスフント、ミニチュア・ピンシャー、プードル、ビーグル、小型のテリアがあげられます。日本の犬の200頭に1頭が糖尿病という報告もあり、高齢の肥満犬の多くは、糖尿病予備軍と考えられます。

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(2)病気の解説と治療法

糖尿病は、犬の内分泌疾患として最も一般的な病気です。200頭に1頭は糖尿病というデータも報告されています。

膵臓のランゲルハンス島B細胞というところで作られるインスリンが分泌されなくなる、あるいは分泌量が少ない、分泌されてもうまく作用していないなどの状態で、糖、タンパク質、脂肪代謝が障害され、筋肉や脂肪組織の糖利用率が低下します。

また、肝臓では糖新生(アミノ酸などから糖を合成する)が亢進するため、血液中のグルコースの濃度(血糖値)が上昇して、尿に糖が検出されるようになります。
さまざまな代謝障害がおきる全身性の疾患で、重い合併症を引き起こします。

発症は、遺伝的な素因に肥満、感染、運動不足などの環境因子が加わったものが原因となります。

治療上インスリン投与をするかしないかで次の2つに大別されます。

1.「インスリン依存性糖尿病」

遺伝的体質によるものと考えられています。膵臓でつくられるインスリンの分泌が不足して起こります。重症の場合には輸血やインスリン注射をします。血糖値を下げる飲み薬もありますが、効かないことが多く、
インスリン療法が必要です。インスリンの量や注射の回数が決定されたら、家庭でも皮下注射ができます。

2.「インスリン非依存性糖尿病」

炭水化物や脂肪、タンパク質の代謝に作用するインスリンの働きが弱くなって、糖が大量に血液中に送り込まれ、血糖値が下がりにくくなるものです。インスリンの量が減っているわけではなく、肥満が原因となってインスリンの作用を弱めているために発症すると考えられます。インスリンの投与が必ずしも必要ではなく、 食餌を改善し、ダイエットすることで血糖値を下げるようにします。

雌犬では、発情後にくる偽妊娠によってホルモンバランスが狂い、インスリンの作用が弱まってしまうために糖尿病状態に陥ることがあります。これを放置しておくと、発情ごとに膵臓の内分泌細胞に負担がかかり、いずれは通常の糖尿病に発展してしまう可能性があるので、避妊手術を行うことが勧められます。

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(3)食餌療法 「食事療法食は必ず獣医師の指示に従って与えて下さい。」

食物を食べると、すい臓は腸から糖を吸収して、それに応じてインスリンを分泌します。インスリンは血液中から糖を吸収するように体の組織を刺激し、血液中に脂肪が入ることを阻止する働きをして、脂肪が動脈の壁に付着したりしないようにします。

インスリンの働きが弱くなっている糖尿病の犬には、血糖の循環を改善して、食後の急激な血糖の上昇を避けることが必要です。そのためには、例えば米のようにすばやく消化されて、血糖値のピークを速め、多量のインスリンを急速に必要とするような食物は好ましくありません。

大麦のような炭水化物は消化されるのが遅いので、血液中に糖を移行させることも遅くします。カロリーの40%以上は複合炭水化物から、20%は脂肪からとるのが良いとされます。

犬の血糖値を低く保つために、繊維質の多いフードを与えます。カルボキシメチルセルロースと呼ばれる繊維は、胃をゆっくりと空にして、血液中にゆっくりと糖を移行させます。


一定量の炭水化物、脂肪、高品質のタンパク質を含み、高繊維質の「療法食」を与えます。

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「食事療法食は必ず獣医師の指示に従って与えて下さい。」



Copyright Hill's
プリスクリプション・ダイエット
(ヒルズ)

「w/d」

1kg、4.5kg、9kgパック
  • L-カルニチン添加
  • カロリー低め
  • 脂肪低め
  • 繊維質は中程度
  • ミネラル低め
  • ナトリウム低め
  • 尿ph 6.2〜6.4
  • 肥満予防
    低カロリー・高繊維質の食事を与えることにより、カロリー摂取量の低減に役立つとともに、活動量が少なく、または去勢・避妊された、あるいは肥満傾向の成犬にとって栄養学的にバランスのとれた組成になっています。
  • 糖尿病
    繊維質を増量することにより、血糖値の変動を最小限に抑え、糖尿病患者により良い管理を行うことができます。また、インスリン使用量を低減できる場合もあります。
  • 大腸炎
    高繊維質は腸内通過時間を正常化し、便のかさを増やすとともに便の型の形成に役立ちます。
  • 便秘
    繊維質の増量は糞便中の水分吸収と腸管の運動性を増加させるのに役立ちます。
  • 高脂血症
    脂肪を制限し、繊維質を増量することにより血中脂質量の低減に役立ちます。
  • ストルバイト尿石症
    ストルバイト結晶、尿石症をもつ肥満傾向の犬に対して、ストルバイト尿石の成分を制限している
  • L-カルニチン
    除脂肪体組織を増強するとともに脂肪の燃焼に役立ちます
栄養組成(平均分析値)保証分析値とは異なります。
代謝エネルギー

315kcal/100g
タンパク質
脂肪
炭水化物(NFE)
繊維質
カルシウム
リン
ナトリウム
カリウム
マグネシウム
クロライド
カルチニン
17.4%
8.0%
45.3%
16.2%
0.58%
0.47%
0.21%
0.66%
0.102%
0.49%
290mg/kg
原材料
トウモロコシ、ピーナッツ殻、トリ肉、全卵、植物性油脂、ミネラル類、ビタミン類、カルニチン
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Copyright Masterfoods

ウォルサム
(マスターフーズ)

「ウェイトコントロール」

1kg、3kg、8kg


代謝エネルギー
316Kcal/100g


希望小売価格
1,800円/1kg

糖尿病の犬や軽度の肥満の犬に給与することを目的としています。
この食事は糖の吸収速度を緩やかにするために、糖吸収速度の遅い炭水化物の含有率を高めてあります。
「適応」
糖尿病、高脂血症、肥満傾向、便秘、減量後の体重管理、一過性の下痢

  • 脂肪代謝をサポートする、ガルシニアカンボジアと共役リノール酸(CLA)配合
  • 食後の急激な血糖上昇を考慮し、炭水化物源として糖吸収速度の遅い大麦やコーンを使用。さらに、ゲル化作用により糖吸収をゆるやかにする食物線維を配合。
  • 肥満で負担がかかる関節の健康を維持するため、コンドロイチンとグルコサミンを配合。
  • 酸化ストレス(DNAダメージなど)を低減し、老化と共に低下する免疫力をサポートするため、複数の抗活性酵素物質を配合。
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栄養組成(平均分析値) 従来の製品とは算出方法が異なりますので、給与量の目安を必ず確認して下さい。
たん白質
脂肪
食物線維
灰分
水分
炭水化物
カルシウム
カリウム
リン
マグネシウム


亜鉛
クロール
ナトリウム
セレニウム
38.0g
12.7g
10.9g
8.2g
11.4g
45.5g
1.4g

0.89g
1.01g
0.10g
23.06mg
2.91mg
30.41mg

1.27g
0.63g
0.032mg
EPA+DHA
L−カルチニン

タウリン
アルギニン
ビタミンA

ビタミンE
ビタミンC
ビタミンD3
ビタミンB1
ビタミンB2
パントテン酸
ビタミンB6
ビタミンB12
ニコチン酸
ビオチン
葉酸
コリン
0.215g
25.34mg
0.27g
2.03g
2153.9IU
76.0mg
25.34mg
190.05IU
1.52mg
0.89mg
5.70mg
4.31mg
0.016mg
6.34mg
0.38mg
1.39mg
380.11mg
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原材料
家禽肉(鶏、七面鳥)、大麦、コーングルテン、コーンフラワー、精製セルロース、ビートパルプ、動物性油脂、家禽レバー、オオバコ、ビール酵母、フラクトオリゴ糖、魚油、共役リノール酸、タウリン、L−カルチニン、塩化グルコサミン、コンドロイチン硫酸、ガルシニアカンボジア、マリーゴールドエキス(ルテイン源)、各種ビタミン、ミネラル
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参考資料 「犬の家庭医学大百科」 ブルース・フォーグル著 ペットライフ社(2004年12月)
       「動物看護エキスパートBOOK」 小嶋佳彦・相田真由美著 インターズー(2004年7月)